関西大学システム理工学部情報通信工学研究室

高速TCP

 研究背景

 〜高速輻輳制御〜

  近年は帯域の高速化・通信の遠距離化に伴い帯域遅延積の大きなネットワークが出現している. 従来TCPはロス率と送信レートの関係式から,横軸をロス率,縦軸を送信レートのグラフに青線のような特性がみられる. 高帯域遅延積環境を表すロス率の低い部分において,従来TCPは高いスループットを得ることが困難である.そこで, ロス率の低い環境では従来のTCPより高いスループットの得ることができる赤線の様な特性を持つ様々な高速TCPの提案が行われている.

  高速TCPはロス率の低い環境では従来のTCPとの公平性は考慮していないが,帯域遅延積の低い環境では従来TCPでも十分に帯域を利用できることから, 従来TCPとの公平性を考慮して設計されている.よって,青色の領域で表される高速TCPと従来TCPとの公平性の研究は行われているが,様々な高速TCPが提案されているにも関わらず, 赤色の領域である高速TCP同士の公平性に関する研究は今まで行われていない。
  しかし、これらの高速TCPはすでにMicrosoftのOSであるWindowsにはCompound TCP(CTCP)が、LinuxにはCUBICがそれぞれデフォルトの輻輳制御として実装されており, 現在のインターネット上でも利用されている。そこで、高帯域遅延積環境における高速TCP間の公平性を評価する必要があると考えられる。

 研究内容紹介

 〜高速TCPの公平性に関する研究〜

  WindowsのOSやLinuxには既にCUBICやCTCPのような高速TCPが実装されており、インターネット上でも利用されている。 しかしCUBICとCTCPが競合する環境では、CUBICがCTCPの利用帯域を大きく圧迫してしまうという問題が発生する。 そこで、本研究では,その公平性を改善する手法の提案を行っている。

   
関西大学システム理工学部情報通信工学研究室

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